妊活に取り組む土台(後編)

妊活に取り組む土台として、次は不妊について確認していきましょう。

不妊とは? 

日本産科婦人科学会によると不妊とは、下記のように定義されています。 
 

生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という。その一定期間については1年というのが一般的である。なお、妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない。

この定義から、次のことが読み取れます。 

 
「不妊」と「妊活」は同じ意味ではありません。 また、「不妊治療」と「妊活」も同じ意味ではありません。 
 
また、「不妊」は何かしら特定の原因の結果おこる病気ではなく、子供ができない状態のこ とを表しているに過ぎないのです。 つまり、「不妊は病気ではない」ということを理解しましょう。 
 
不妊とは、不妊病ではなく、不妊症と呼ばれているように、子宮や卵巣そのものに何らかの問題がない場合以外は「妊娠に至れない体の状態を表現したもの」であり、不妊自体が特定の疾病、病気であることを表しているのではないのです。
 
何らかの原因により健康状態を損ね、妊娠し辛くなっている状態になり、身体の不調が不妊という状態として出てきている結果、不妊を引き起こしているといえるのです。 
 
それを理解していただくことにより、一般的な不妊対策(つまり、不妊治療)と、本来の不妊対策(つまり、妊活)が、大きく異なったものであることに気づくことになります。
 
 一般的な不妊対策(不妊治療)は不妊という現象そのものへのアプローチがメインであるため、肝心の不妊の原因へのアプローチが全くなされていません。本来の不妊対策(妊活)として、不妊の原因となる、卵質改善を行うことにより、早く健康的な妊娠の実現が可能となるのです。 

2015年国立社会保障・人口問題研究所の調査による「日本の不妊の現状」によると

・不妊を心配したことがある(または現在心配している)夫婦の割合は 35.0%
・子どもがいない夫婦に限れば 55.2% 

その割合は前回調査より増加、不妊に対する不安を多くの方が抱えている現状がある。

とあり、実際、体外受精等の生殖補助医療による出生児数は年々増え続け、今や出生児数の5%が体外受精等の生殖補助医療による出生児となっています。

 

国の特定不妊治療支援事業による支給実績も近年うなぎ上りとなっており、日本にとって、不妊の悩みは一部の方の問題ではなく、もはや社会問題となっています。

さらに現状としては、一般的な対策(不妊治療)のみを続けているため、日本の体外受精実施数は世界第一位にもかかわらず、日本の体外受精成功率(出生率)は世界でも最下位クラスが続いています。

 
原因は、体外受精以降の選択肢が存在しないことにありますが、最も深刻な問題は、「不妊」「不妊治療」「妊活」および「妊孕性」等の教育がきちんと行われてこなかったことです。不妊にお悩みであるのなら、正しい「妊活」について、一刻も早く知ることが必要なのです。 
 

不妊になりやすい体の不調・症状 

こんな症状・不調はありませんか? 

  • クラミジア既往歴がある
  • 子宮筋腫や子宮内膜症がある
  • ホルモン異常と指摘された
これらの症状は病院での治療が有効になります。
 
クラミジア既往歴(性感染症の既往歴)のある方は卵管の癒着等で卵子と精子が出会えていない可能性があり、妊娠しづらくなっています。性感染症の治療後、体外受精を検討しましょう。 
 
子宮筋腫や子宮内膜症等を指摘された方 また体質的に繰り返しやすい方は、受精・着床を阻害している可能性があります。 子宮筋腫や子宮内膜症の治療と並行して、体外受精も視野に入れましょう。 
 
ホルモン異常を指摘された方は卵子の成⾧や成熟に問題を抱えています。この場合はホルモン補充も有効な治療法ですので、まずは病院を受診し、ホルモン値を整える治療を受けましょう。不妊の原因がホルモンだけであれば、ホルモン治療後にあっさり妊娠する方も多いです。 
 

こんな症状・不調はありませんか? 

  • 冷え性
  • 慢性的な生理痛
  • 生理不順
  • 過度のストレス 
 

冷え症は、血液の循環不良・栄養バランス・運動不足等の原因で、ホルモンバランスや卵子の発育に悪影響を及ぼします。

生理痛や生理不順は、女性ホルモンのバランスや自律神経の働きが乱れている可能性があり、 卵子の発育に影響を及ぼします。 

 
過度のストレスは、睡眠障害や内臓機能の低下を引き起こし、自律神経やホルモンバランス に悪影響を与えます。結果、卵子の発育が悪くなるので要注意です。  
これらの症状は、体質・生活習慣が原因の不調や症状です。全ての解決策は体質改善です。体質改善は、卵質改善でもあり、それ自体が妊活だと心得ましょう。 
 

男性側にも原因が? 

 
不妊の原因は、女性側だけに存在するものではありません。 当然、男性側の対策も必要となります。では、男性側の問題と解決策を見ていきましょう。 
 
乏(ボウ)精子症:精子が少ない症状です。
解決策:人工授精や体外受精を検討しましょう。 
 
性感染症男性側の性感染症も女性側に影響を及ぼします。
解決策病院での治療と並行して、人工授精や体外受精を検討しましょう。 
 
また、男性にとっても冷えや過度のストレスは体調不良の前兆であり、不妊要因(精子不良)の 原因となります。 解決策は女性側と一緒ですので、夫婦で妊活を学ぶ意義があるのです。 
 

妊活・不妊解消の近道は? 

妊活に取り組むといっても何年も継続して行うのは大変です。 早期妊娠を実現するために今すぐできることとは何でしょうか? 以下にまとめました。
「体質改善の実践」
・バランスの良い食事 
・良質な睡眠 
・適度な運動 
 
「正しい病院選び」 
・出来る限り早めに必要な検査を受け、現状を知ることが重要
・体外受精まで行える不妊治療専門のクリニックを受診する
・病院を間違えると妊娠するチャンスを失うことになる。 
 
「パートナーとの意識の共有」
・女性側だけが検査を受けるのではなく、男性も検査を受ける
・どちらに問題があったとしても、二人の問題として向き合っていく
・性交渉の回数を増やす
・お互いに尊重し協力し合いながら妊活に取り組む  
 
これらは全て大切ですが、特に最も重要なのは体質改善です。
 

体質改善の実践

・バランスの良い食事
栄養バランスを整える
添加物をできるだけ排除する
旬の新鮮な野菜や果物を摂る
※サプリではなく食べ物から栄養を摂る意識を 
 
ポイント:人の体はその人が食べたものでできている
→良質な卵子、精子、体作りのためにバランスの良い食事は必須! 
 
・良質な睡眠
自律神経のバランスに影響する
ホルモンのバランスが整う
ストレスが軽減される
内臓機能のメンテナンスが効率良く行われる 
 
ポイント:良質な卵子、精子、体作りのために良質な睡眠は必要不可欠! 
 
・適度な運動
運動をすることで、筋肉に刺激を与え、血流改善につながる
栄養やホルモンが血流に乗って全身へ行き届きやすくなる
血流がよく巡るため、冷え解消にもつながる 
 
ポイント:冷え性の根本解決にもなる! 
 

卵子の老化について 

たとえ20代であっても、全ての妊活実践者にとって卵子の老化は深刻な問題です。 なぜなら「老化」そのものが、時間の経過だけで迫ってくる問題ではないからです。 
 
卵子の老化を考えるときは、女性の外見の若さではなく、卵子そのものの「質」に着目する必要があります。 
 
原則として卵子の質、「卵質」は、時間の経過と共に低下します。つまり、「老化」のことです。ただ、時間を戻すことは誰にもできないので「老化」を止めることはできません。
 
しかし、老化のスピードを遅らせることは可能です。老化を加速させる要因として「劣化」がありますが、劣化要因を排除することにより、卵子の老化を遅らせることができます。その結果、多少の時間経過に対しては、卵質の低下を防止することができるのです。 
 
また、「劣化」は、老化を加速させるだけではなく、卵質に直接ダメージを与える要因でもあります。 例えば、睡眠不足やバランスを欠いた食事等を続けた時のお肌の調子を想像していただくと解りやすいかと思いますが、直接肌に何も悪いものが触れていなくても、吹き出物やむくみといった現象で、誰でもダメージを実感した経験があるでしょう。 
 
このように、卵子の老化は「劣化」要因の影響を強く受け、卵質に直接影響を及ぼします。 その逆を実践することにより、つまり、劣化要因の排除を行うことで、卵質改善が可能となるのです。 
 
これで妊活の基礎は整いますが、見過ごしてはいけない重要ポイントがあります 。
 

卵子の劣化とは?  

卵子の老化:加齢とともに卵子が衰える 
 
卵子の劣化:加齢以上のスピードで 卵子の質が落ちる (現代の生活習慣・ストレス社会が原因) 
 
怖いのは卵子の加齢よりも劣化なのです。 

劣化が起こる原因:ストレス、生活習慣の乱れ、運動不足、自律神経の乱れ 

不妊を解消するには劣化を遅らせるには劣化の原因を取り除くことが大切です。 卵質改善に目を向けましょう。

 

卵子の大きさは?

成熟した卵子の大きさ:約16ミリ 

これは肉眼で見える唯一の細胞です。 実際に大きさを確認するには、紙に針で穴をあけてみてください。穴を目に近づけてそこから漏れてくる光を見てみましょう。その光の大きさが卵子の大きさです。あなたもその1つの小さな卵子から始まったのです。

保健体育の授業で学んだ内容と現実のギャップ

教科書で学んだのは、精子が卵子にたどり着き、受精卵となり、着床して妊娠という流れです。そう教えられたのだから、受精したらほとんど妊娠するといったイメージを持つ方も多いでしょう。
 
そのため、いつでも妊娠できる、生理が来ているから大丈夫という錯覚に陥ってしまいます。 実際、避妊については指導されたことがあっても、不妊について指導されることはなかったと思います。
 
しかし実際には排卵日に合わせて精子を届けただけでは、妊娠には至らないケースが多いのです。 
 
授業の教科書で学んだのは、うまく妊娠出産したときの流れであり全ての卵子にそれが常に起こるという事ではなく、妊娠に至るのは「妊娠に適した卵子」だけなのです。 
 
しかし授業では、「妊娠に適した卵子」の話が必ずしも取り上げられるとは限りません。そこに大きな認識のギャップがうまれてきます。 
 

体外受精や、顕微授精の技術を使って、精子と卵子を出会わせたとしても、受精するかどうかは、卵子の質が大きく左右することを誰が教えてくれたでしょうか? 劣化した卵子では妊娠に至らないのです 赤ちゃんの誕生には、高い生命力をもった良質の卵子が不可欠なのです。

さて、あなたの卵子は健康でしょうか?良質でしょうか?その判断はどうすればできるでしょうか? 

 

それは簡単です。

排卵された卵子は、あなたの細胞と同じと考えてみましょう。 

 
もしもあなたが
  • ストレスにまみれ、常にイライラ
  • お酒もスイーツも、大好き
  • バランスの偏った食生活にコンビニの食べ物大好き
  • 就寝時間は0時を回ってから
  • 何なら煙草も吸っている

こんな生活から出来上がったあなたの細胞は、健康で良質といえるでしょうか? そんな卵子は、妊娠に適した元気な状態といえるでしょうか?

一度、卵子の声に耳を傾けてみましょう。

 
あなたの卵子は、今どんな状態でしょうか? 疲れていますか?ストレスいっぱいですか? 元気いっぱい?エネルギーに満ち溢れていますか? 
 
あなたは、良質な卵子づくりのために、自分の体に何をしてあげれますか? 

妊活や不妊治療の本質とは? 

劣化した卵子は、出産に至る確率が低いということを学びました。
 

妊活をして、妊娠・出産を実現するには、細胞レベルで体質を改善することです。不妊治療を開始した途端すべてを病院にゆだねるのは間違いで、「先生、どうかよろしくおねがいします」では、妊娠の可能性は低いのです。 

赤ちゃんができやすい体作り、妊娠しやすい卵子作りは、ママになるあなたにしかできません。
不妊は病気ではない早期妊娠を望むなら、卵子の質を改善する、体質改善が一番の近道です。

人は誰しも一つの卵子から始まります。あなたの卵子が受精し、着床し、胎児となり、生まれ出てくる。赤ちゃんが生まれてくる瞬間まで卵子はあなたと一体であなたの一部なのです。

赤ちゃんへできる最初のプレゼントは質の良い卵子を作ること 

 

卵子の質を良くするために
・卵子の劣化を防ぐ行動
・卵子の質を上げる行動 (精子の質を上げる行動 )

そのための体質改善(卵質改善)の実践が一番大事といえます。 

 
妊娠を実現するには、体質改善と、体質改善をサポートする協力者の存在が不可欠です。 
当院があなたの一番の協力者であることは間違いありません。